入隊式
当時の自衛隊は土曜日は午前中は仕事、午後から休養日となっていました。
「半ドン」というものです。
今は完全週休二日制です。
完全といっても、勤務や訓練などで休めない日もありますが、しっかり代休が付くので安心です。
僕の入隊式は日曜日に行われました。
たった一週間でできることは限られていますが、この日に必要な動きはできるようになりました。
学校の入学式などでは、父兄が先に着席して新入生が入場しますが
自衛隊内の教育開始式などでは、入校者や新隊員などが先に整列していて、アナウンスで参列者が入場してくることが多いです。
駐屯地に到着した父兄の皆さんは、待機できる部屋で案内があるまでそこで待機となり
新隊員は壇上を向いているので、顔を合わせることはありませんでした。
入隊式の細部は割愛しますが、この式の中で服務の宣誓というものを唱和します。
文言はこのようになっています。
『私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身を鍛え、技能を磨き、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います』
この当時はただ単に入隊式の中の一つの行事程度にしか思っていませんでした。
年齢と経験を重ねる中で、この言葉と幾度か対面することがあります。
「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえることを誓います。」
非常に重たい言葉ですよね。
自衛隊に賛成や反対の記事にもこの言葉がたびたび出てきます。
「高校卒業してすぐのものにこんなこと言わせていいのか?」みたいな。
それほど重要な文章だと思います。
この服務の宣誓の文言をただの儀式の一つとしてとらえるか、この言葉に自衛官として成さなければならないことが詰まっているととらえるかで任務に対する考え方や、そこに臨む姿勢は変わってくるように思います。
僕の母はこの言葉を聞いて「危険なことはしなくていいから」って言ってましたw
入隊式が終わってから少し時間があり、居室などを見せたり話す時間があってそんな話をしていました。
今は教育に携わる要員や父兄と新隊員で会食をする教育隊もあるようですが、僕のところではありませんでした。
家を出てわずか一週間だけど、立派になったそうですよ😁
別れ際に「蹴ってきたかったら帰ってきていいんだよ」ってまた言ってました。